【2300万年前の化石と同じ形態をしている生きた化石、オオサンショウウオは、中国山地を中心にした地域の、清流の岸の横穴や岩の下に棲んでいます
特に、岡山県北の山間部、真庭市湯原温泉周辺は有名です
特別天然記念物に指定される前は、ミソで煮込んで食べていました】
ネットで、思いがけない情報を見つけました
中学生の時に、井伏鱒二の「山椒魚」を読んでから、ずっと興味があったのです
居ても立っても居られない
すぐに出掛けましょう
何てったって私の車は車中泊仕様ですからね
湯原は旭川に沿って広がる温泉街で
鴨やアヒルが泳いでいました
ポチャン、と何かが水に落ちる大きな音がするので振り返ると
(画像:Wikipedia)
カワセミが、青いお尻を光らせながら川岸の草むらに消えました
オオサンショウウオはこの川原の遊歩道の周辺にも生息しているそうです
町の至る所にオブジェや、オオサンショウウオの伝説を描いた看板がありました
こういう話
※「はんざき」はこの地方でオオサンショウウオのこと
手足を切っても再生することから、体を半分に裂いても生きていると思われているそう
【昔、向湯原の竜頭ヶ淵に大きなハンザキがおった。川原に放牧している牛や馬を、尻尾でたたき倒して引きずり込んで食べてしまうというほど大きなハンザキで、村人からも恐れられていた。
あるとき、近くで家普請があり、大勢集まって棟上げの祝いをしていると、通りがかった六部(巡礼者)が叫んだ。
「おーい、村の衆、この淵には大きなハンザキがおるが、誰もよう取らんのか。意気地なしばかりじゃのう」
村の衆は腹を立てたが、中でも彦四郎という若者は激怒した。
「何をほざくか。よう見とれ」と言ったかと思うと、短刀を持ち、腰に網を付けて淵に飛び込んだ。
彦四郎は大ハンザキめがけて切りつけたが、逆に一呑みにされてしまった。
村人から、「もうだめか」というため息がもれた。
すると彦四郎は、腹を切り裂いて外に出て、大ハンザキの胴体を網で巻き、網を引いて合図した。
村人はいっせいに網を引っぱり大ハンザキを岸に引き上げた。
「大きいやつじゃ。淵の主に違いない」
大ハンザキは長さ三丈六尺(約10.8メートル)胴回り一丈八尺(約5.4メートル)という、とてつもないものだった。
肝をつぶした六部は走って逃げだした。
それを見つけて彦四郎が追いかけた。熊居峠で追いつき、
「おい、男の意地を見たか」と言って、六部の首筋を押さえつけた。
「わしが悪かった。こらえてくれ」
そう言ったときには、すでに彦四郎の短刀が六部を刺していた。
その夜、彦四郎が寝ていると、外ですすり泣く声が聞こえる。
雨戸を開けてみるが誰もいない。
寝床に入ると、またすすり泣く声が聞こえてくる。
それが、毎晩のように続き、そのうち彦四郎の家では、つぎつぎに病人が出て倒れ、ついに彦四郎一人だけになった。
そして彦四郎も病で倒れ、一家全員が死に絶えてしまった。
村の内でも災難が起こり始めた。
「こりゃたたりじゃ。淵の主と六部を殺したたたりじゃ」
村人は大ハンザキと六部を供養するため竜頭ヶ淵のそばに祠を立て、はんざき大明神として祭り、熊居峠には六部の供養塔を建てた。
それから、村は、平安を取り戻したということじゃ。
(立石憲利『おかやま伝説紀行』吉備人出版 2002年)】
まるで、オオサンショウウオがすごく悪い子みたいな話じゃないですか!
オオサンショウウオって可愛いんですよ、車酔いするんです
運搬していると、酔って吐くんですって
(画像:緑書房「はっけん!オオサンショウウオ」)
おまけに、オスはイクメンでね
子どもを生むとすぐにどこかへ行ってしまうメスの代わりに、半年近く一人で子育てをするんですよ
天敵の亀やイモリを追い払ったり、巣穴の砂を掻き出したり、卵塊に潜り込んで尾で掻き混ぜて水を送ったり…
いや、ホントにいい子!
まあ、ともかく「はんざきセンター」へ行きましょう
侘びたルックスですね
ヌターッとして1mほど…
日が暮れると湯の町はこんな風情
思いがけず良い旅です
元湯湯原温泉に入り
足湯のあるRVパーク「ゆばら湯っ足り広場」へ移動
広々とした芝生には足湯、オオサンショウウオのオブジェ
遥か下の方には旭川の清流、これは酔っ払ったら危ないですね
1泊1,000円 電源は有料です
町中にも足湯・手湯がありました
帰り道で
こんな店を見つけました
山田養蜂場お菓子工房「ぶんぶんファクトリー」
1〜2mの蜂が屋根にとまっています
中央に見えている女王蜂の大きさなんて!
夢に出てきます